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デイリーレポート

緊張感のある素晴らしいジャズを堪能

緊張感のある素晴らしいジャズを堪能

Kyoko

2016年05月07日 土曜日

3 コメント

▶近藤和彦さん率いるクィンテット、近藤和彦(as.ss.fl) 松島啓之(tp.flh) 片倉真由子(pf) 坂井紅介(b) ジーン・ジャクソン(ds) さんのハービー・ハンコック特集。彼のレギュラー・ドラマーだったジーン・ジャクソンさんをフィーチャーしたユニットです。
▶1st stage…♪Oliloqui Valley…ソロをとったのは順番に(sax)(tp)(pf)(ds)、♪Driftin’…ソロは(tp)(sax)(pf)(b)、♪Sly…ソロは(sax)(tp)(pf)(b)(ds)、♪Jane’s Theme…60年代後半のアントニオーニのミステリアスな映画「欲望(Blow-Up)」のテーマで短く可愛い曲、ソロは(tp)と(pf)、♪The Maze…ソロは(pf)(sax)(tp)(ds)。
▶2nd stage…♪Finger Painting…ソロは(sax)(tp)(pf)、♪The Sorcerer…ソロは(tp)(sax)(pf)(b)(ds)、♪Speak Like a Child…(fl)と(flh)で、♪Chains Song…ソロは(sax)(b)、♪One Finger Snap…ソロは(tp)(sax)(pf)(ds)、アンコールは♪Chameleon でした。
▶本当に素晴らしいメンバーで、この夜を目指していらした多くのコアなジャズファンでお席が埋まりました。その中で、当店の常連さんでジャズに大変造詣の深い中西光雄さんが、さっそく facebook に素晴らしいレポートを載せてくださいました。素晴らしいレポートですので、許可を得て、以下のコメント欄に転載させていただきますので、こちら↓をご覧ください。中西さんありがとうございました。(写真データをお店に忘れてきましたので写真は明日掲載します)

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コメント3件

  1. 大型連休終盤の雨の金曜日、南青山 Body&Soul は静かに熱狂した。
    アルトサックスの近藤和彦さんがリーダーをつとめる新しいクインテットが、ハービー・ハンコックのバンドで長くドラマーを努めたジーン・ジャクソンさんを迎え、そのハービー・ハンコック特集を演奏する。ジーンさん以外のメンバーも、日本のジャズ界を牽引するすばらしい実力派プレイヤーたちばかりで、各々のタイトなスケジュールのなか集まってきた奇跡のクインテットである。その顔ぶれを見るだけで成功は約束されたようなものだが、我々ファンの期待を百倍・千倍にしして返してくるのが、ジャズのケミストリーというものであろう。
    近藤さんは、このハービー特集を以前からやりたかったのだと言う。「今夜はハービーの曲しか演奏しません」。ハービーのバンドで演奏してきたジーン・ジャクソンという「ほんもの」を得て、今夜その夢が実現する。だから、このライブをいちばん楽しみにしていたのは近藤さん自身のはずだ。近藤さんは、外からは冷静で知的なプレイヤーに見えるが、内に秘めたマグマのような音楽への愛は尋常なものではなく、それがしばしば奇跡のプレイに結実する。今回のライブでは、これまで大きな影響を受けてきたジャズのレジェンドハービー・ハンコックへのレスペクトと愛が、緻密な選曲と楽譜の準備、セットリストの構成に端的に表現されていた。
    1960年台はじめから1980年台後半までのハービーのありとあらゆる作品を聞き込んで、マイナーな作品でも自らがすばらしいと思った楽曲から目を離さず、譜面が出版されていないものについてはは耳コピーまでして、極めて美しいシート・ミュージックに仕上げてあった。おそらくほとんど当日に渡されてリハーサルをしたであろうハービーの決して簡単とはいえない、いやほとんどの難曲を、カルテットが最初の一音からアンコールの最後の一音まで、一糸乱れぬすばらしいグルーブで演奏しえたのは、リーダー近藤さんの熱さにメンバーがとろけてしまったからに違いない。アルト&ソプラノサックス、アルトフルートの三種の楽器を適切に使い分けて、トランペットの松島さんと対話しともに上昇してゆく姿は美しいのひとこと。ジーンさんの叩き出すグルーブはそれこそ「ほんもの」の拍動だし、真由子さんの才気に満ちたピアノソロ、そして紅介さんの限界にアタックするベースは、お互いを強く信頼しながら、濃密に対話してゆくジャズの楽しみを堪能させてくれた。しかしなんと美しいハービー・ハンコックの音楽世界であることか!私はこのライブに立ち会えたことにひたすら感謝と感動を覚えたことであった。
    近藤さんは、つい最近共演したベニー・ゴルソンさんの「僕は常に自分の明日の姿をイメージしているから、過去の自分を振り返ったりしないんだ。明日が来るのが楽しみでならないんだ」言葉を、「これこそがジャズだと思いました」と感動的に紹介した。またジーンさんは、「うまく言葉にならないんだけど、共演するたびにハービーのポジティブなパワーをもらって、それが今も僕の音楽と人生を支えている」と語った。前日が誕生日だった坂井紅介さんへのサプライズ演奏もあり、端正ながらごきげんなグルーブの中で、ライブは終了した。京子ママも、このライブをほんとうに楽しまれたようで、「これからもどんどん新しいことに挑戦してゆく」と目を輝かせた。
    さまざまな意味で、まことにジャズの聖地 Body&Soul らしい、しかしだから奇跡のようなセッションだったと報告したい。ぜひ今後も、このクインテットでの演奏を定期的に聴きたいと切望します。
    近藤さん、メンバーのみなさん、すばらしいライブをありがとうございました。これからますますの音楽への献身を期待しております。
    またこのライブに誘ってくださった菅野広和さんにも心からの感謝を!

  2. 菅野 広和 says:

    京子ママ、素晴しい“企画Live”をありがとうございました。
    ご存じのとおり(笑)、普段出演者を結構保守的に選んで聴きに行くタイプなので、お店にとってはあまり良いお客では無いかもしれませんが、当夜のメンバーはあまりに見事な顔合せで、HPスケジュールで見つけてすぐに予約し、絶対素晴しい演奏になるはず…と中西光雄さんを久しぶりにお誘いしました。

    私自身には中西さん程の文章表現力は到底ありませんが、近藤さんの周到な準備と各メンバーの皆さんの熱い演奏が中西さんのアウトプットを後押ししたなら私自身にとっても望外の喜びです。
    こういう色々なMagicが起こるのがBODY&SOULならではですね♪。
    これからも京子ママの“新しい挑戦・試み”を微力ながら応援して参ります。

    以 上.

    • Kyoko says:

      中西さま菅野さま
      お二人ともテリジェンス溢れる素敵なコメント、ありがとうございます。
      ジャズを愛することではお二人とも私以上で、その情熱にいつも感心しています。ウチのお客さまは本当にいいお客さまが多く、これも当店が自慢できることのひとつで、嬉しく思い感謝しています。お励ましいただくと、また元気が出ます。ミュージシャンの皆さん、お客さま、ありがとうございました。  Kyoko