デイリーレポート

いやー、すごい演奏でした！酔いしれました！

▶久々の【BODY & SOUL Special】は、ファビアン・アルマザン(pf)リンダ・オー(b)ヘンリー・コール(ds)さんの《Fabian Almazan Trio》ほとんどがオリジナル曲の演奏でしたが、メロディーもリズムも素晴しく、透明感があり、情景が目に浮かんでくるようなものすごくいい演奏に酔いしれました。
▶この三人は、それぞれの活動でも今NYでも話題の人で、ファビアンさんはブラッド・メルドーを彷彿させる、なんて言われていますが、私はこれは彼の独自のスタイルだと思いました。キューバ生まれで10歳で政治難民として家族でフロリダに亡命。そのキューバではクラシックピアノの英才教育を受け、貧しくなった移住後も実力を認められ無償でレッスンを受け、NYのマンハッタン音楽院に進学してK.バロン等に師事…やはり幼い頃からの優れた才能を感じさせるピアノです。
▶リンダさんはマレーシア生まれの中国系で、オーストラリヤで音楽教育を受けてNYで勉強し、数々の賞を獲得してすぐリーダーアルバムをリリースして、話題となったベーシスト。よくベースの音は指が太くて強くないと…と言われますが、とんでもない。小柄で可愛い手をしてるのに、どうして？と思うほど、借り物のベースとは思えない素晴らしいベースサウンド。
▶ヘンリーさんはプエルトリコ生まれでバークリー音大に進みジャズの勉強に没頭し、翌年に故郷に戻ると、国で最も影響力のあるドラマーとして奨学金を得て、再びマンハッタン音楽院で勉強して卒業、多くのミュージシャンと共演しリーダーアルバムもリリースしています。それぞれの活動やサウンドも、もちろん素晴らしいのですが、このトリオならではのサウンドになっているのは、お国柄も経歴も大きく違う三人が融合し化学反応しているのだと思います。三人はトリオとしてユニットで活動するようになって、これからもっともっと羽ばたくと思います。
▶1st.stage…♪Russian Love Story、♪Rhizome、♪Pet Step Silling、♪Personalities、キューバの曲♪Bola de Nieve、♪Tres Linda’s Cubanes。
▶2nd.stage…♪New Child Old Place、♪Grandmother Song、♪Hacia del Aire この曲はトランペッターT.ブランチャードのアルバムに入っています。♪Una Foto、♪Duck Tg、♪Hugs、♪Vicarious Life。あまりの素晴らしい演奏にお客さまは皆さん大感動、アンコール・アンコールで２曲演奏されました。
▶お客さまが少なく三人には申し訳ない思いでしたが、私はぜひまた聴きたいと思いました。これから地方にツアーに出ますが、都内では昨夜の当店と、あとピットインがあるだけです。大ホール・大資本のジャズクラブと違って、当店ではビッグネームやセレブなミュージシャンをブッキング・招請することは出来ません。でも、特に【B&S Special】をやる以上、決して失望はさせないつもりです。(自慢に聞こえたら恐縮ですが) 私が他所のお店のライブまで宣伝してしまうのは、まだ無名のミュージシャンでも本当にいい演奏を聴いていただきたいと思うからです。この三人はきっと近い将来、ビッグになると思いますよ。