デイリーレポート
端正な中にいい味のある綺麗な響きのトリオサウンド
▶このメンバー、田窪寛之(pf) 安田幸司(b) 長谷川ガク(ds)さんが揃わないとライブ演奏はなさらない田窪さんの久しぶりのトリオ演奏でした。毎日ライブを聴いていると、同じピアノトリオでも皆さんそれぞれ自分たちのサウンドを追求されていて飽きることがありません。私がお店を続けられている理由でもありオーナーならではの楽しみです。彼のピアノはとても音が綺麗で端正です。そこにリズム隊の二人がいい感じにテンションをつけて、なかなか味のあるトリオです。田窪さんは私が毎日ライブレポートを書いているのをご存じで、演奏曲のメモに綺麗な字で丁寧に注釈をつけて下さいました。音楽にも振る舞いにも、育ちの良さを感じます。他のバンドに参加されて普段は無口でおとなしい田窪さんですが、いろんなお話も楽しませていただきました。
▶ジャズとは無縁のご家庭に育った田窪さんが、ジャズピアニストになるとご両親に話したら、猛反対をされて大変だった、と。「ジャズミュージシャンは酒と女と麻薬とに溺れる、ジャズピアニストにするために月謝を払ってピアノを習わしたのではない」と嘆かれ猛反対され大変だったこと。でも自分の好きな道を行こうと思い今に至っている、とか。確かに私もジャズを聴くだけで不良少女と言われた時代もあり、80年代はまだそんなイメージがありました。今はいくつかの音大にはジャズ科があって、理論から演奏までしっかりした授業があり、昔のようにレコードを聴いてコピーしたようなミュージシャンはいなくなりました。以下、演奏曲の注釈は、田窪さんのメモをそのまま掲載します。
▶1st stage…♪How About You?…スタンダードの可愛らしい曲です、♪Grand Work…シダー・ウォルトンの真っ直ぐなメロディが好きです、♪They Say Its Wonderful…切ないメロディが美しい曲です、♪The Continental…古い曲ですがモダンなアレンジで雰囲気を変えました、♪Three Steps Forward…シダー・ウォルトンからインスピレーションを受けて作った曲です、3歩進んで2歩下がる前向きな曲です。
▶2nd stage…♪How My Heart Sings…エバンスの曲ですがテンポ感が変わるスリルがあります、♪The Shade Of Ceder Tree…クリスチャン・マクブライド(私もよく知っているベーシスト)の曲でカッコいい曲です、♪Amembow…アメンボのイメージを書いたオリジナル曲、♪Stella by Starlight…あえてバラードで演奏しました、♪Just One Of Those Things…とても速く弾いてみました。アンコールは♪Where Or When…古い曲をスウィンギーにお届けしました。
▶とても良かったので次回は来春1月20日(月)にメンバーが揃ったのでお願いしました。ぜひお聴きになってください。こういうトリオ好きな方、きっと大勢いるんじゃないかしら。ファンになられますよ。
いつもアルバムでお聴きしている田窪トリオさんを、どうしてもライブでお聴きしたく、今回初めてBODY&SOULさんに伺いました。
良いお席を取っていただき、アルバムでお馴染みの、詩情豊かな、心が震える美しさに加え、ライブならではの華やかさ、疾走感、躍動感等々、全身で堪能致しました。全てが期待以上でした。
終演後、帰路を急がねばならず、また胸がいっぱいでしたので、田窪トリオさんに直に感想・お礼を申し上げられなかったのが心残りで、この欄に書かせていただきます。
お店の雰囲気も素晴らしく、いただいたカクテルもサラダも大変美味しく、贅沢な時を過ごすことができました。
あのような空間を調え、長年、維持しておられるお美しいマダムに、心より感謝致します。
お褒めの言葉、ありがとうございます。
次回ご来店の折には、ぜひ私に声をおかけ下さいませ。 Kyoko