デイリーレポート

ファンが集ってジム・ホールさんを偲んだ心温まるステージ

▶多くのギタリストに影響を与えたジャズギターの巨星ジム・ホールさんがお亡くなりになってちょうど１年が経ちます。ジムさんの愛弟子とも言える井上智(g)さんがこの秋、彼を偲んで「Plays JIM HALL」というアルバムをリリースされました。昨夜はそのレコーディング・メンバーによる発売記念、そして１周忌記念ライブでした。ステージには写真が飾られ、井上さんが思い出話しをされながら演奏。お客さまもジムさんのファンと、井上さんのファンも多く、演奏者と心が一つになって熱心にお聴きになられました。
▶井上さんは京都で生まれギターを習い始めたのも京都。ジムさんに憧れてNYに渡り、マンハッタンのニュースクール大学にオーディションを受けに行くと、そこにジムさんが審査員でいらして、その時初めて彼のヒーローだった実物と会ってとてもドキドキされた…そんなお話をはじめ、おおらかな話しぶりで思い出話を話されました。もちろん演奏曲は全てジムさんが演奏されていた曲。ジムさんの音楽をしっかり受け継いでいながら、ジムさんのコピーではない井上さんのギターを聴かせてくれました。
▶1st.stage…♪Something Special、♪Walk Soft。日本が大好きだったジムさんが、日本のイメージで作曲した曲で、井上さんが曲名を付けたという♪Se Se Ragi（せせらぎ）…曲名通りの綺麗な曲でした。スタンダード曲♪I’m In The Mood For Love。 ジムさんの奥様は精神分析医で、作詞作曲もなさる才媛だそうですが、ジム夫人作の♪The Answer Is Yes。
▶2nd.stage…ビル・エバンスとジムさんのデュオで有名な♪My Funny Valentine…とても緊張感がある演奏でした。J.ジルベルト♪Jo Am、♪What’s New。NYビレッジヴァンガード開店70周年に、ジムさんと井上さんがデュオで出演。ジムさんが日本の曲を演奏しようと演奏したこともある想い出深い曲、と♪赤トンボ。1960年代にJ.ジェフリーとレコーディングした♪Careful、アンコールはジム夫人が大好きだったという♪All The Things You Are でした。恩師ジムさんも、きっと天国で愛弟子の愛情を感じて耳を傾けていたことでしょう。素晴らしい演奏の、とても心あたたまるステージでした。